トランペットを吹き鳴らせ!:セルビア&マケドニアジプシー音楽修行記
¥1,650 税込
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四六判並製 192頁
発行日 2016.2
●内容紹介●
本当の音楽を求めて、トランペット女子一人旅
バルカンブラスに魅せられて、トランペット1本で体当たりの旅に出た!謎に包まれたロマ=ジプシー音楽の聖地をめぐる、ブラス音楽漬けの日々。世界最大のトランペット祭、グーチャフェスティバルとは。
ようこそ! ジプシー音楽の世界へ
調べても調べても、日本で本当のジプシー音楽をトランペットでやっている人が見つけられなかった。ジプシーで調べると、ジプシーアレンジ、ジプシー風、ジプシー音楽に自分の個性を織り交ぜて……という紹介が多く、実際に本当のジプシー音楽を演奏している人、というか知っていそうな人が探し当てられなかった。
私が知りたい・聴きたいのは、ジプシーっぽい音楽じゃなくて、ジプシー音楽そのものなんだ、と気づいた。
ともかく、身体で感じないとわからないし、自分は想像力が貧困だ。考えたところで、知らないことについて考えても間違った方向に行きそうだし、時間の無駄な気がした。だから、とりあえず現地に行ってから考えようと思ったのだ。(本文より)
●著者紹介●
吉開裕子(よしかい・ ゆうこ)
千葉県生まれ。トランペッター。YYOrk(Yuko Yoshikai Orkestar)所属。ロマ=ジプシー音楽との出会いをきっかけに2012年よりトランペットを習い始め、2015年に欧州最大のトランペット祭、グーチャ・トランペット・フェスティバルを目指して渡航。バルカン半島にあるセルビア・マケドニアのトランペット・オーケストラの音楽・文化・人を日本に広めるべく各方面にて活動中。
【書評】『音楽教育 中学・高校版』2016年7月号
「BOOKS 著者に聞く 」
『トランペットを吹き鳴らせ! セルビア&マケドニアジプシー音楽修行記』を書いた吉開裕子さんに聞く
トランペットを吹き続けることで 人生を引き寄せることができたと思います。
憂いを含んだメロディーと、ダイナミックに躍動するリズム。ロマ(ジプシー)音楽といえば、サラサーテの『ツィゴイネルワイゼン』などに代表される、弦楽器を中心としたスタイルが有名だが、同様に世界中で人気を集めるのが、セルビアやマケドニアなどのバルカン半島諸島で盛んなトランペット・オーケストラ音楽。日本でもコアなファンがいるが、ガイドとなるような本や資料に乏しいのが現状だ。
「インターネットで調べようとしても、セルビア文字はわからないし、行くと決めてからもなかなかつてが見つからず、不安でいっぱいでした」とは、本書の著者である吉開裕子さん。4年前、「性に合う」とトランペットを習い始め、昨年にはそれまで勤めていた会社を辞めて、憧れていたロマのトランペット・オーケストラの世界にふれるべくセルビアとマケドニアへ3カ月間の渡航を決意。手がかりを探すうちに、滞在をコーディネートしてくれる人も現れた。
そして実際に行ってみると、当初の不安はよそに、世界的に活躍するボバン&マルコ・マルコヴィッチ・オーケストラとの遭遇や、欧州最大のトランペットの祭典「グーチャ・トランペット・フェスティバル」のパレードに演奏者として参加できるなど、まるで夢のような日々が続いた。本書は、当時の日記をもとに書きおろしたみずみずしい旅の記録だ。
「私が主に滞在した南セルビアでは、生活の中に当たり前のように音楽がある。男の子はたいてい物心がついたときからトランペットを親から習っていて、トランペットをうまく吹けることがクールだと思っているのが素敵だな、と思いました」。
トランペットを持ってまちを歩けば「一緒に演奏しようよ」「この曲知ってる?」と声をかけられる。出会う人は皆やさしく、気を遣ってくれる。言葉の代わりになるのは、音楽が好き、トランペットが好き、セルビアとそこに暮らす人が好きという気持ち。読んでいると、まるで行間から音楽が聴こえてきそうだ。
「現地で出会った音楽や人は、日本にずっといたら出会えなかったもの。トランペットを吹き続けることで人生を引き寄せることができたんじゃないかと思います」。
今年も夏のフェスティバルに渡航し、ゆくゆくは日本にセルビアの音楽文化を紹介する機会をつくりたいという。その夢が実現するのも、そう遠くはないかもしれない。
(構成・山﨑隆一)
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